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AI導入・開発

ChatGPT BusinessとEnterpriseの違いは?法人プランの選び方と導入後の設定

ChatGPT BusinessとEnterpriseの違いは?法人プランの選び方と導入後の設定

会社でChatGPTを使うときの法人向けプランは、ChatGPT BusinessとChatGPT Enterpriseの2つです。どちらも、入力した内容を初期設定でモデルの学習に使わない点は同じです。違いが出るのは、アカウントの一括管理や監査ログ、データの保存地域、請求書払いのように、情報システム部門が求める管理の要件です。この記事では、2026年10月6日時点のOpenAIの公式情報をもとに、2つのプランの違い、個人向けプランを業務で使う場合との違い、会社の規模と要件に応じた選び方、契約後に決めておく設定を整理します。

ChatGPTの法人向けプランは「Business」と「Enterprise」

ChatGPT TeamはChatGPT Businessに名称が変わった

以前の「ChatGPT Team」は、2025年8月29日に「ChatGPT Business」に名称が変わりました。OpenAIのヘルプセンターは、名称の変更によってプランの内容が変わったわけではないと説明しています。ただし、その後に料金とシートの仕組みは更新されており、現在のBusinessは「標準シート」と「プレミアムシート」の2種類を組み合わせて契約する形です。社内の資料や過去の比較記事に「Team」と書かれている場合は、Businessのことと読み替えてください。

個人向けプランとの位置づけ

ChatGPTの料金ページでは、プランが個人向けとビジネス・エンタープライズ向けに分かれています。個人向けは無料版、Go、Plus、Proの4つで、OpenAIはこれらを個人向けに設計したプランとしています。BusinessとEnterpriseは企業向けで、ユーザー2名から契約できます。

企業向けの2つは、会社が契約して管理するワークスペースを使う点が個人向けと異なります。ワークスペースでは、管理者がメンバーの追加と削除、利用できる機能、データの保持期間などを決めます。Businessはセルフサービスで申し込めるチーム向けのプランで、Enterpriseは営業担当を通じて契約する組織全体向けのプランです。

ChatGPT BusinessとEnterpriseの違い

OpenAIのビジネス向け料金ページにある機能比較表をもとに、管理、データ、監査、使える機能、向く会社の5つの観点で、個人向けプランとあわせて整理しました。

ChatGPTの法人向けプランと個人向けの違い
図の要点をテキストで読む

ChatGPT Business、ChatGPT Enterprise、個人向けプランを5つの観点で比べた表。管理では、BusinessはSAML SSOとドメイン認証と管理コンソールを使え、EnterpriseはさらにSCIMやロール別の権限、IP許可リストを使える。個人向けにはSAML SSOがない。データでは、BusinessとEnterpriseは初期設定で学習に使わず、Businessは管理者が保持期間を設定し、Enterpriseは保持ポリシーを個別に設定して保存地域も選べる。個人向けは初期設定で学習に使われることがあり、設定で止められる。監査では、Businessは管理者が会話を閲覧・エクスポート・削除でき、EnterpriseはCompliance APIで監査ログを取得できる。機能は両プランで共通部分が多く、Enterpriseは入力できる量が大きい。向く会社は、Businessが2〜200名のチーム、Enterpriseが全社導入や管理要件の厳しい会社。

アカウント管理とSSO

BusinessとEnterpriseのどちらでも、SAML SSO、ドメイン認証、管理コンソール、メンバーの一括管理、利用状況の分析が使えます。社内のIDでログインさせる設定は、Businessでもできます。

Enterpriseだけにある管理機能は、SCIMによるアカウントの自動連携、ロールベースのアクセス制御、GPTのきめ細かな管理とグループ単位の権限、IP許可リスト、グローバル管理コンソールなどです。入社や退職に合わせてアカウントをIDの管理基盤から自動で作成・停止したい場合や、部署ごとに使える機能を変えたい場合は、Enterpriseの機能が必要になります。

データの学習利用と保持期間

OpenAIのエンタープライズプライバシーのページでは、BusinessとEnterpriseのどちらでも、ビジネスデータ(入力と出力)を初期設定でモデルの学習に使わないとしています。フィードバック機能などで利用者が明示的にデータの共有を選んだ場合は、共有されたデータを学習に使うことがあります。

保持期間の扱いは、プランで説明の仕方が異なります。Enterpriseは料金ページで「カスタムのデータ保持ポリシー」が挙げられています。Businessについては、同じプライバシーのページで、ワークスペース管理者がデータの保持期間を設定できると説明しています。どちらも、削除した会話は法令で保持が必要な場合などを除き、30日以内にOpenAIのシステムから削除されるとしています。設定できる期間の範囲は、契約前に管理画面とヘルプセンターで確かめておくと安心です。

データの保存地域を選べるのはEnterpriseです。料金ページでは、日本を含む10の地域でのデータレジデンシーに対応するとしています。社内の規程で、データを国内に保存することが求められている場合は、この点が判断の材料になります。

会話の確認と監査ログ

Businessでは、ワークスペース管理者がメンバーの会話履歴を閲覧、エクスポート、削除できます。問題のある使い方がないかを、管理者が画面から確かめる形です。

Enterpriseでは、Compliance APIを通じて、会話やGPTに関する監査ログを取得できます。社内のログ管理の仕組みに取り込んで保管・検索したい場合や、監査の対応で記録の提出を求められる場合は、Enterpriseが前提になります。料金ページの比較表でも、Compliance APIはBusinessでは提供されていません。

利用できる機能

業務で使う主な機能は、両プランで共通しています。ワークスペース内でのGPTの作成と共有、共有プロジェクト、社内ツールに接続するアプリ、社内ナレッジの検索、Deep Research、データ分析、Codexなどです。プライバシーのページでは、管理者がワークスペースで使えるアプリを管理でき、ChatGPTは組織の既存の権限設定に従うと説明されています。

違いは利用できる量にあります。比較表の「GPT Instant」の入力上限は、Businessが約40ページ、Enterpriseが約250ページです。長い契約書や報告書をまとめて読み込ませる業務が多い場合は、この差が影響します。Enterpriseには、コネクターレジストリ、強化サポート、専任担当による導入支援も含まれます。

料金と支払い方法

2026年10月6日に確認したOpenAIのビジネス向け料金ページでは、Businessの標準シートが「¥3,050から」、プレミアムシートが「¥15,250から」と表示されていました。同じページとヘルプセンターの説明によると、ドル建てでは標準シートが年額課金で1ユーザーあたり月額20ドル、月額課金で月額25ドルです。プレミアムシートは年額課金で月額100ドル、月額課金で月額125ドルで、標準シートの5倍の利用枠があります。料金は国や通貨によって異なる場合があるとされているため、契約時に料金ページで確かめてください。

Enterpriseの料金は公開されておらず、営業担当への問い合わせで決まります。支払い方法も異なります。Businessは主要なクレジットカードで購入します。ヘルプセンターでは、請求書の発行、発注書、銀行振込などが必要な場合は、セルフサービスのBusinessではなく契約ベースのサービスを使うよう案内しています。また、BusinessにはAPIの利用料は含まれず、APIは別に契約・請求されます。

個人向けプランを業務で使う場合の違い

料金を抑えるために、社員が個人で契約したPlusなどを業務に使うことを認める会社もあります。この場合、データの扱いと管理の面で、法人向けプランと次の違いがあります。

1つ目は学習利用の初期設定です。OpenAIのヘルプセンターによると、個人向けサービスでは、会話の内容がモデルの学習に使われることがあります。設定の「データコントロール」で「すべての人のためにモデルを改善する」をオフにすれば、新しい会話は学習に使われません。ただし、オフにするかどうかは各社員の操作に任されます。また、オフにしていても、回答に高評価や低評価を付けるなどのフィードバックを送ると、その会話全体が学習に使われることがあるとされています。

2つ目は会社が管理できないことです。個人向けプランにはSAML SSOがなく、会社は誰がどのアカウントで何を入力したかを確かめられません。社員が退職しても、会社は本人のアカウントにある会話を管理できません。業務の情報を扱うなら、会社が管理するワークスペースに利用をまとめる方が、ルールを運用しやすくなります。未承認のツールの利用を減らす考え方は、Q&A「シャドーIT(未承認の生成AI利用)のリスクは、どう減らしますか?」でも整理しています。

会社の規模と要件に応じた選び方

プランは、利用人数だけでなく、情報システム部門やセキュリティの担当者が求める要件から決めると迷いにくくなります。

ChatGPTの法人向けプランを選ぶ手順
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ChatGPTの法人向けプランを選ぶ3つの手順。1つ目は必須の管理要件を確かめることで、SCIMやロール別の権限、監査ログの取得、データの国内保存や請求書払いのうち1つでも必須ならEnterpriseを相談する。2つ目は利用人数を見積もることで、2〜200名ならBusiness、200名を超える場合はBusinessとEnterpriseの両方を比べる。3つ目はBusinessの場合のシートの組み合わせで、日常業務は標準シート、利用量が多い人はプレミアムシートにする。どちらのプランでも、契約前に公式の料金ページで最新の内容を確かめる。

先に必須の管理要件を確かめる

最初に、次のような要件が社内の規程や監査で求められているかを確かめます。SCIMによるアカウントの自動連携、ロール別の権限、監査ログの取得、データの国内保存、IP許可リスト、請求書払いです。1つでも必須であれば、Businessでは満たせないため、Enterpriseを営業担当に相談します。

必須要件がなければ人数と使い方で考える

料金ページでは、Businessを「従業員数2~200名のチーム向け」としています。必須の管理要件がなく、利用者がこの範囲に収まる場合は、Businessから始めるのが現実的です。200名を超える全社導入では、管理の手間とサポートの体制も含めてEnterpriseと比べます。

Businessを選ぶ場合は、シートの組み合わせも決めます。日常の文書作成や要約が中心の人は標準シート、より高度なタスクで利用量が多い人はプレミアムシートというように、1つのワークスペースで2種類を混ぜて契約できます。

想定例:従業員80名の会社がBusinessを選ぶ場合

以下は説明のための架空の例です。従業員80名の会社で、営業と管理部門の30名がChatGPTを使う予定だとします。社内のIDはクラウドのグループウェアで管理しており、SAML SSOでのログインは必須ですが、SCIMによる自動連携や監査ログの提出は求められていません。

この場合、必須要件はBusinessで満たせるため、Businessの標準シートを30席で契約します。社内システムの開発を担当する2名だけはプレミアムシートにします。将来、取引先の監査で利用記録の提出を求められる可能性がある場合は、その時点でEnterpriseを相談する前提を、導入時の稟議書に書いておきます。

ChatGPT Businessの導入後に決めること

契約しただけでは、どの業務で何を入力してよいかが決まらず、使う人が一部に限られます。ワークスペースを用意したら、次の3つを決めてから全員に案内します。

利用ルールを決める

まず、入力してよい情報と入力しない情報を、業務の例とあわせて決めます。法人向けプランでも、顧客の個人情報や取引先との契約で開示が制限されている情報を入れてよいかは、会社として判断が必要です。あわせて、業務では会社のワークスペースだけを使い、個人のアカウントを使わないことを明記します。ルールの書き始め方は、Q&A「社内の生成AIポリシー・テンプレートは、何を最初に書けばよいですか?」が参考になります。

管理者の設定を決める

次に、管理者が設定する項目を決めます。SAML SSOとドメイン認証の設定、会話の保持期間、ワークスペースで使えるアプリ(社内ツールとの接続)、GPTをワークスペースの外に公開できるかどうかです。プライバシーのページでは、管理者がGPTの一般公開を許可している場合に、外部公開を選んだGPTが追加審査の対象になることがあると説明しています。社外に出したくない場合は、公開を許可しない設定にしておきます。

アプリで社内の文書を検索させる場合は、閲覧権限のない文書が回答に混ざらないかを、実際の文書で確かめてから広げます。プライバシーのページでは、各利用者は利用前に接続先のアプリで認証する必要があるとされています。

最初に使う業務を決める

最後に、最初に使う業務を部署ごとに1つか2つ決めます。議事録の要約や社内文書の下書きのように、繰り返し発生して作業時間を測りやすい業務が向いています。業務に組み込んで社内に定着させる手順は、ChatGPTが社内で定着しない理由と、業務に組み込む進め方で詳しく解説しています。

ChatGPTの画面での利用に慣れてくると、社内システムとのデータのやり取りを自動化したい業務が出てきます。その場合は、ChatGPTの画面で使い続けるか、APIで既存システムと連携させるかを比べます。使い分けの考え方は、Q&A「チャットUIとAPI連携は、どう使い分けますか?」で整理しています。

プラン選びと導入の進め方を相談する場合

プランの選択は、料金の比較だけでは決まりません。社内のIDの管理方法、監査で求められる記録、扱う情報の種類によって、必要な機能が変わります。また、OpenAIのプランや料金、機能は更新が多いため、契約の直前に公式の料金ページとヘルプセンターで最新の内容を確かめてください。

inovieでは、生成AIを使う業務の整理から、利用ルールと管理設定の設計、APIを使った社内システムとの連携までを支援しています。支援の範囲はAI導入・システム開発の支援をご覧ください。ChatGPT BusinessとEnterpriseのどちらが自社に合うか判断したい場合や、契約後の設定と対象業務の決め方を相談したい場合は、お問い合わせからご連絡ください。

出典確認日:2026-10-06

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